債権管理ナビ/上場するための会計管理どうしよう?/上場企業はこんな会計ソフトを入れている

上場企業はこんな会計ソフトを入れている

上場前に知っておくべき会計監査の準備やポイント、導入しておきたい会計ソフトについて解説しています。

上場に対して行われる会計監査で見られるポイント

上場するためには、2年間、監査法人の監査証明を受ける必要があるため、どんなに早くても3年はかかるといわれています。また、企業内部としても、上場基準をクリアするために内部統制を準備する必要があり、それに1年半から2年ほどの期間がかかります。

上場の準備をしている間に、主幹事証券会社から、社内体制運用を1年ほど監視されます。この際、なにか問題が出てくれば、その点を改善していきます。企業は、上場のためにいろいろな書類を作成し、主幹事証券会社による審査、取引所による審査が行われます。これが1年ほど。こうした準備期間に実際は3年以上かかりますが、並行して準備をすることによって、3年ほどに短縮することが可能です。

監査法人による2年間の監査を受ける前に、「ショートレビュー」という短期的な調査を行い、経理や会計に問題がないかをチェックします。このショートレビューを受ける前に、確認しておきたいいくつかのポイントがあります。

銀行や現金の残高をチェック

小口現金と銀行の残高は、データと一致していなければならず、監査法人はこの点をチェックします。そのため、銀行口座や金庫などに保管されている小口現金が実際の現金と合っているか、会計ソフトのデータと一致しているかを確認しておきましょう。

仕訳の根拠をチェック

監査法人は、会計ソフトに入力されている仕訳内容について、その根拠があるものなのかどうかをチェックします。そのため、領収書や請求書などの書類をすぐ確認できるように準備しておきましょう。その際、仕訳と書類の紐付けをしておくことも忘れずに。クラウドストレージ機能のある会計ソフトであれば、書類を格納しておくことができます。

売掛金の額が一致しているかをチェック

取引先における買掛金と、自社で計上した売掛金の額が一致しているかどうかを確認します。この額が一致していない場合もありますが、きちんとした理由があれば問題ありません。

決算書の数字の増減をチェック

決算書の数字が前期と比べて大きく増減している場合、監査法人のチェックが入ります。その理由がきちんと説明できるように、請求書や資料などを事前に準備しておきましょう。

仕訳時期は適切に

会計では、現金の動きではなく、その取引がいつ始まったかで考えます。たとえば3月に決済する法人がいる場合、3月に利用して4月に支払う経費があれば、3月に計上し、売上の場合は、4月納品の製品・サービスに対し、3月に前受金が発生していたとしても、4月の売上として計上します。

導入しておきたい会計ソフトについて

上場審査を受けるにあたって、内部統制の6つの基本的要素を盛り込んだ内部統制報告書が必要になります。会計ソフトの中には、この内部統制制度に対応したものもあるので、上場を考えているのであれば、こうしたソフトを導入しておくといいでしょう。

内部統制では、会計システムをはじめ、業務システムがどのように構築されているか、適正に機能しているかなど、ITシステムの構築もポイントになります。場合によっては、システム全体を見直さなくてはならなくなる場合もあるので、会計ソフトは、業務処理統制はもちろん、業務処理をする際の運用やデータへのアクセス管理が統制されているかなど、IT統制の面からも選んでいかなければなりません。

拡大するクラウド会計ソフトの認知度

クラウド会計ソフトとは、その名の通り、クラウド上で利用できる会計ソフトのこと。これまで、会計ソフトというと、インストールして使用するタイプのものが一般的でしたが、近年、クラウド会計ソフトを導入しはじめている企業が増えていて、その割合は、会計ソフトを使用している企業のおよそ15%。この数字は、これから先、さらに増えていくと考えられます。

クラウド会計ソフトのメリットはまず、ソフトをインストールしなくても、細かい設定をしなくてもすぐに利用できること。データも、クラウドサーバー上にバックアップされているので、会社のパソコンが故障したり、ウイルスに感染した場合でも、データを消失するおそれがありません。

また、つねに最新バージョンを利用できるのもメリットのひとつ。パッケージソフトの場合、ソフトがバージョンアップすると、その都度、購入してインストールしなければなりませんが、クラウド会計ソフトの場合は、その手間がありません。会社のパソコンを買い替えた場合も、インターネットにつなげば、すぐに利用することができます。

最新バージョンのソフトを利用できるので、法改正がされた場合でも、更新作業などの必要もなく、簡単に対応することができます。ネットバンキングやカード会社のデータと連携させることもできるので、銀行口座の入出金やクレジットカードの利用利履歴も自動で反映され、入力する手間もなくなります。

月や年ごとに使用料を支払う必要があるため、ランニングコストがかかったり、便利な機能をすべて使いこなせるようになるまでに時間がかかったりということもありますが、そうしたデメリットよりも、魅力的なメリットが揃っています。