債権管理ナビ/売掛金の回収をどう促進し管理するのか/売掛の残高の把握と管理方法を知りたい

売掛の残高の把握と管理方法を知りたい

売掛残高にスポットを当てて、どう把握して、どのように管理するべきかについて、取りまとめてご紹介していきます。

売掛残高の把握と管理は、どうすればいいの?

例えば個人が商店や販売店などで買い物をしたりサービスを受ける場合は、その代金をその場で、現金あるいはクレジットカードなどで支払うという場合がほとんどですね。この場合、基本的には売掛金というものは発生しません。ただし、個人消費の場合でも発生する売掛金として一番分かり易いのが、馴染みの飲食店などで行われることの多い「ツケ払い」ですね。

そして日本の商習慣として、企業同士の取引においては、この「ツケ払い」の方式=売掛による支払いが往々にして行われており、経理や会計の担当者にとっては、苦労するポイントにもなっています。とりわけ、どう管理し、どう確実に回収するかが、まさに重要なポイントです。詳しく見ていきましょう。

そもそも売掛金とはなにか?

前述しました通り、平たく簡単に言えば、企業同士の取引において行われるツケ払いのことを指します。企業Aが企業Bに商品あるいはサービスなどを納品して、その代金を支払ってもらうのを待っている状態のこと。

代金を支払ってもらえる権利であることから「売掛債権」とも呼ばれます。当然ながら、この代金を支払ってもらった時点でこの債権はなくなります。また、支払を待っている期間中は、勘定科目の「流動資産」のうちの「当座資産」に分類されます。

要注意!売掛金には時効がある!

そして売掛残高の把握と管理がなぜ重要なのかと言いますと、実はこの売掛金には時効があり、それを経過してしまうと支払ってもらえなくなる場合があるからなのです。意外とご存知ない方も多いようですので、ぜひ認識を改めておいてください。

ちなみに、時効となる期間は売掛金の種類によって違いがあります。会社法で規定されている会社同士の債権は5年とされていますが、以下の取引では、より短期間で時効が正立してしまいます。

なお、この時効期間は、債務者に残高確認書、債務確認書をもらう、債務者に債務の一部を払ってもらうなどで中断するという方法もあります。

そして、念のために申し上げておきますが…飲み屋や飲食店のツケがもうすぐ1年だからといって、時効を待つのはやめましょう。

商売は、代金の回収までが商売

「黒字倒産」という言葉をご存知でしょうか?商売は順調にいっているのに、代金の回収が上手くいかず、運営資金がショートして倒産してしまうという事態です。実際にも、こうしたケースは往々にしてあります。

売上金を伸ばすことに熱中するあまり、肝心の代金回収がおろそかになって…というケースは、それこそ往々にして起こりがちです。そうした事態を回避するためにも、代金回収を確実に行うための売掛残高を適切に管理することが重要なのです。

売掛残高の管理、その方法は?

実際にあった事例をひとつご紹介しましょう。とある会社では、複数の取引先への売掛金を一括で管理していましたが、月末になって、取引先のひとつから100万円の売掛金が入金されていないことに気がついたそうです。

判明が遅れたのは、前述の通り、全ての取引先への売掛金を一括管理していたため。こうした事態を回避するには、取引先ごとに売掛帳を作成し、取引先ごとの売掛金の残高をわかりやすく管理すること。それによって、未請求や未入金の見過ごしを防ぐことができるのです。

と、言うのは簡単ですが、月々の請求件数が多くなればなるほど、目視や手作業で行うには膨大な時間と手間をかけなければなりません。また人間の行うことですので、どうしても請求漏れや、入金確認の漏れなどが発生するリスクは増えてしまいます。そうした事態を防ぐためにも、取引先が増え一定上の件数を超えたら、専用のシステムやソフトを導入し活用するというのが賢明です。

残高確認の通常手順

残高確認書の送付先の選定

当然ながら、全ての取引先に対して売掛金を詳細に管理し、また可能であれば相互に売掛金の残高について再確認した上で、未請求や未入金があれば適切に処理することが望ましいでしょう。しかし現実的には、取引先や請求件数が増えれば増えるほど、それらの全てに対して残高確認を行うことは時間的にも作業的にも大きな負担となっていきます。

そのため、何らかのリスクが考えられる場合はもちろん、日常的なリスク管理としても、どの取引先について残高確認を行うのか、一定の基準や条件を設けて選定しなければなりません。

また、残高確認が必要と思われる企業があれば、残高確認書を送付して金額を共有しておくことも大切です。

残高確認書の送付

残高確認書の書式に特別な決まりはありません。そのため、最初に残高確認書のひな形を作っておくと便利です。

残高確認書のポイントは、自社から相手側企業に対してどれだけの売掛・買掛があるのか、その金額をきちんと提示して、またそれが相手企業の認識している額と同一だと確認することになります。そのため、金額と自社の署名、さらに相手にも金額と署名を記入してもらえる欄をつけておくといいでしょう。

残高確認書を送る際の注意点

残高確認書は、互いに内容について共有することが重要なため、同じ内容のものを相手側企業にも保管しておいてもらうことが大切です。そこで、一般的には同じものを2部用意し、一方を自社用、もう一方を相手側の控えとして同封しておくようにします。また、売掛明細などを同封しておけば、差額が生じた場合に相手との確認作業がスムーズに行えます。

その他、返信用切手を貼り付けた返信用封筒を同封しておくことも大切です。

残高確認書が自社に届いた場合は?

場合によっては取引先から自社に対して残高確認書が送られてくることもあるでしょう。

その際、原則としては相手側企業に対する売掛金・買掛金の総額を記載して返送するようにします。

これにより、部門ごとや取引ごとに集計した金額でなく、会社間での残高総額をきちんと確認しあうことが可能です。

差額が生じた場合は速やかに確認

消費税の端数処理の方法や、計上時期や締め日などの違いによって、売掛残高に差額が生じる可能性もあります。また、集計方法や計上ミスが原因かも知れません。いずれにしても差額があると発覚した場合は、速やかに確認して解決することが必要です。

システム化によって得られるメリットは?

売掛管理のシステムやソフトには、取引先ごとの売掛金の推移や代金回収の推移などがデータとして蓄積されるので、取引先ごとの売掛金残高が一目瞭然で確認できるようになり、請求漏れや未入金の確認漏れなどを見落としてしまうリスクが大きく軽減されます。

また取引先ごとに売掛金がいくらあり、未回収の売掛金はいくらなのかといったことが明白になるので、例えば未回収の売掛金が多い取引先に対して、与信枠を縮小したり、取引を打ち切るか否かの判断材料とするといったことにも役立ちます。

さらには、支払いの期日別に売掛金を管理することもできるので、当月の売掛金はいくらか、翌月末期日の売掛金はいくらかなども明確に分かるようになり、ひいては自社の2ヶ月先3ヶ月先の資金繰り状況も把握しやすくなります。「黒字倒産」の回避にも、大いに役立つと言えるでしょう。

まとめ