債権管理の自動化&効率化で業務改善!
事業規模が大きくなるほど、取引件数や売上額が増えれば増えるほど、債権管理の自動化や効率化といったものは不可欠になっていきます。それにも関わらず、一定以上の事業規模を誇る企業においても、債権管理業務の自動化や効率化は遅れているというのが現実です。
とりわけ、入金消込や売掛金の回収といった作業においては、未だにアナログなやり方を強いられてしまっているというのが実状。それこそ締め日は、担当スタッフの方々が、残業を繰り返したり、場合によっては徹夜作業を強いられることも珍しいことではありません。
このように現場では大きな悲鳴が上がっているのに、こと債権管理に関してはシステム化や効率化がいつまでも進まないのでしょうか?所属する部署や置かれている立場の違いによって、考えや理解の仕方が異なることが理由ひとつ。また債権管理のシステム化によってどんなメリットがもたらされるのか、システム化をしないことで、どんなデメリットやリスクがあるのかが、正しく理解されていないというのも要因です。
適切な債権管理とは?その必要性とは?


そもそもなぜ、債権管理というものは必要で、かつ適切に行われなければならないのでしょうか?その理由としては、日本において慣例化されている商習慣である売掛金が大きく関わっています。
ご存知の通り、売掛金というのは、企業同士の商取引において商品の売買やサービスの提供などの代金支払いを、一旦保留にしておき、月末などの締め日などにまとめて支払うというやり方です。馴染みの飲食店などに対して行われる「ツケ払い」を、企業同士の合意のもとで行うということですね。
そしてこの売掛金の回収を確実に行い、自社の利益や資金繰りを確実なものとするためには、債権管理が不可欠なのです。例えば販売活動においては、「仕入が販売に先行」するため、「仕入の支払が販売の入金に先行」することになり、その差を自社で負担しなければなりません。逆にその間、請求漏れや回収遅れ、回収漏れなどが起こってしまうと、利益の確保ができず、資金繰りの悪化、売上は順調なのに資金がショートしてしまう「黒字倒産」といった事態を招きかねません。
その点、債権管理を適切に実施していれば、回収予定日を正確に把握することで資金繰りにも計画性が生まれ、請求漏れや回収漏れといったリスクも低くなります。人間がやることですので、ミスというものは起こってしまう可能性がありますが、それを可能な限り、少しでも低くするという意味で債権管理は重要なのです。
もうひとつ、請求漏れや請求ミスは、自社の資金繰りへの悪影響というだけでなく、取引先相手への迷惑や信用の低下といったことも招いてしまいます。得意先別の売上債権(受取手形+売掛金)の残高を常に正確に把握しておくという意味でも、債権管理は不可欠なのです。
入金・債権管理で、直面しがちな課題・お悩み、あるある


繰り返し述べております通り、債権管理の業務は企業にとって生命線ともいえる業務であり、間違いが許されない業務といえます。それゆえ、経理部門などの担当者に課せられるプレッシャーはただでさえ大きくなります。それでも、事業規模や取り扱う件数、金額がそれなりであれば、手作業や目視で行うこともできなくはないでしょう。
し・か・し…大企業はもちろん中小規模の企業であっても、実は債権管理業務は手作業というケースはまだまだ多いようです。それこそ紙と電卓で手書きでも、エクセルなどの表計算ソフトを使ったとしても、人間が手作業で行なっているということには変わりありません。
人間が手作業で行う以上、どうしても正確性の点で不安が残るため、何度も繰り返し確認作業を行うことになります。ひいては締め日周辺では残業を繰り返したり時に徹夜になったり。それでもなお、会計の締めが遅れ、リアルタイムに会社の経営状態を把握できなくなり、会計監査や税務申告など、法的な期限のある業務に影響が出ないとも限りません。
債権管理の効率化、そのポイントとは?


では、債権管理を効率化するには、具体的にどのようにすればよいのでしょうか?率直に申し上げてしまいますと、債権管理に特化した、専門かつ精度の高いシステムを導入し、面倒で手間暇のかかる膨大な手作業を、自動化する、ということにつきます。
例えば入金消込なら、請求データや入金データを取り込んだシステムによって、どの案件が未回収なのかをたちどころに表示してくれます。相手先企業に対して適時性のある催促を行うことができ、また高精度の情報で、確認ミスの不安やリスクなども大きく軽減してくれるのです。
とはいえ、そうしたシステムは、そこまで本当に役立つのか、という疑問をお持ちの方も少なくないことでしょう。なかには、そうしたシステムが信用できないから、未だ人間による目視確認と手作業にこだわっているのだ、という声も聞こえてきそうですね。
確かに、そうしたシステムならどれでもよい、という訳ではありません。なかには精度の低いもの、機能が充実していないものなども存在しています。下手をすれば、目視・手作業よりも正確性に劣り、なんのためにシステム化したか分からない、という事態となることも、決してないとは言い切れません。どのようなシステムを導入するのかについては、やはり慎重に検討する必要があります。
その判断基準としては、やはりそのシステムの機能や特徴をしっかり吟味すること。そしてこれまでどれくらいの実績を残しているか、実際に導入している事例はあるか、導入先企業が公開されているか、といった点をしっかりとチェックすべきです。
知っておきたい債権管理の知識【経理担当者編】
ここからは、企業における役職別に、債権管理に関して知っておきたい各種の情報について、取りまとめてご紹介していきたいと思います。その筆頭として取り上げるのは、いうまでもなく、債権管理の苦労を一番に背負う、経理担当者の方向けの知識になります。テーマごとに、記事の概要を取りまとめましたので、ご覧ください。
入金消込はゼッタイ自動化したい
消込を手作業やエクセル等で泥臭く対応されている企業が未だに多い実態があります。なぜ実際にシステム化に踏み切れないのか?異なる立場から見えてくる問題点とその解決方法について解説していきます。
消込をエクセルで頑張ってるがもう限界
そもそもエクセルというソフトは見積もり作成やグラフ化した資料の作成などには役立っても、入金や債権などの管理に最適化されたものではありません。膨大な手間暇がかかるという点では手書きとまったく同じ。解決にはシステム化が必然となります。
苦痛でしかないこの仕訳作業を改善するには
帳簿上の仕訳作業でとりわけ面倒なのが、勘定科目や金額に誤りがあった場合の修正仕訳です。もちろん誤った箇所を単に書き換えればよいというものではなく、正式な手順に沿って手間暇が必要。自動化によってどのようなメリットがもたらされるかを解説していきたいと思います。
システム化の必要性やメリットはこう訴える
入金消込のシステム化が進まない理由のひとつに、経営陣や他部門の人員による不理解や誤解といういささか原始的なものがあります。自動化実現のためには、手作業の過酷さや非効率さ、起こりうるリスクなどをキチンと伝え、自動化のメリットをプレゼンすることが賢明です。
未払金の消込はどう管理すればいいの?
入金消込は請求分の金額が問題なく支払われた時点で行うものです。支払い遅延や金額不足など場合には、入金消込の作業は保留し、「仮受金」という勘定項目への計上や、「繰越請求」などの手間が必要に。そうした場合でも自動化で、面倒な手順を効率化できます。
サービスやソフトって機能はどうなの?
よくある誤解として入金消込システムは販売管理や会計、売掛債権買取といったシステムと混同されてしまいがちです。それぞれどのような特徴があるのかを比較検証していきたいと思います。
消込のクラウドサービスってあるの?
入金消込システムを利用するにあたり、クラウド型であれば、初期費用不要でよりリーズナブルに利用することができるのが魅力。機能やサービス面でも、現地導入型と遜色ないものが利用できるようになっています。
社長は売上債権について頭を悩ませていた
企業経営者と従業員では、会社や事業に対する責任感と意識も異なります。そのため、従業員のミスや負担を減らし、事業の安定性も向上させてくれる債権管理システムは、孤独な社長にとって心強い味方となるでしょう。
RPA導入のメリットと限界
人間が行ってきた手作業による業務を一括で自動化できるシステムがRPAです。ただし、RPAには不測の事態に対応しづらい、紙媒体の作業ができないといったデメリットもあり、まずは正確に内容を把握しましょう。
経理業務でAIが導入される時代に
急速に発達している人工知能(AI)は、まるで人間のように思考するシステムであり、多くの企業でAIの導入が進められつつあります。AIで新時代を向かえる経理業務について、特徴や事例を確認していきましょう。
そもそも入金消込とは何か?
消込は、売掛金や買掛金といった債券・債務を取引の状況に応じて帳簿上から消していく作業です。入金消込は実際の取引と入金金額の照合作業であり、作業の効率化や確実性は安定した事業の継続に欠かせない要素です。
エクセルでどこまで入金管理できる!?
ここでは入金管理をエクセルで行っている企業も多いと思いますが、エクセルでどこまでできるのか、また、システムを導入することのメリットについて解説していきます。
未回収金のチェックや売掛金の消込などをエクセルで行う場合、「入金データの確認」「売掛金の照合」「売掛金の消込」という手順が必要。ポイントとなるのは、月ごとにシートを作成するのではなく、すべての月のデータを1つのシートにまとめることになります。
請求管理をエクセルで行う場合、入力ミスやデータを消去のリスクがあります。また、使う人によって形式やレイアウトが変わってしまうことも。請求管理業務をシステム化すると、一定の書式で自動的に請求書が作成されるため、こうしたミスが起こらなくなります。
請求管理をエクセルで行う場合、入力ミスやデータを消去のリスクがあります。また、使う人によって形式やレイアウトが変わってしまうことも。請求管理業務をシステム化すると、一定の書式で自動的に請求書が作成されるため、こうしたミスが起こらなくなります。
表計算ソフトのエクセルは、経理業務で非常に役立つ機能を数多く備えています。ただしエクセルは専門的な会計ソフトでなく、あくまでも表計算用のツールです。そのため、経理業務に特化したソフトと比較すると、機能の限界やデメリットがあることも事実です。
エクセルは膨大な数の関数機能を備えていますが、中でも入金消込を行う上で特に役立つエクセル関数が存在します。そこで、経理業務の効率化のために覚えておくべきエクセル関数10種を厳選しましたので、使い方をマスターして日々の業務に活用してください。
売掛金の回収をどう促進し管理するのか
ここででは、売掛金の回収管理についてスポットを当て、知っておきたい各種のノウハウを取りまとめてご紹介していきたいと思います。
売掛の残高の把握と管理方法を知りたい
売掛金の支払を待っている期間中は、勘定科目の「流動資産」のうちの「当座資産」に分類されます。また、意外なことに売掛金には時効があり、取引の種類によって時効となる期間が異なってきます。さらに、売掛残高の管理の重要性や効率化の方法などについてご紹介。
売掛金の回収不能はどうしたらいいの?
売掛金の回収不能は企業にとって一大事。ただし、ひと口に売掛金の回収不能といっても、大きく分けると「法律上の貸倒」、「事実上の貸倒」、「形式上の貸倒」の3つに分かれ、それぞれ処理の仕方も異なってきます。また売掛金が回収不能になる事態の予防策として、「債権保証サービス」というものもあります。
売掛金の残高確認が合わない…
売掛金の回収は、企業の経営成績や財政状態に直結し、将来的な経営戦略にも大きな影響をもたらします。しかし、件数や金額が増えていくにつれ、残高確認が合わないという事態は往々にして起こりえます。そうした場合の対処法、原因の究明には、予め、よくあるパターンについて知識を深めておき、役立てていくことが賢明です。
未回収の催促はどうするのが一番良い?
売掛金の不払いで相手先企業に催促を行う際は予め、知識やノウハウを学んでおくことが賢明です。例えば、相手との交渉でどのような言質を取ればよいのか?交渉は電話やメールで行なってもよいのか?どうしても埒があかない時はどうすればよいのか?といったことについて解説しています。
催促のタイミングや催促状の作成が正直大変
売掛金が支払われない場合の催促は、電話やメール、あるいは直接対面しての交渉といったやり方の他に、催促状を作成して送付するやり方があります。ただし、この催促状は、よく聞く督促状とは似て非なるものですので、要注意。また、書面に記載する内容についても、押さえておくべきポイントがあります。
売掛金には時効があるってホント?
時効と聞くと犯罪をイメージする人もいますが、実は商取引においても一定期間で権利が消滅する消滅時効が存在します。売掛金は商品やサービスによって時効までの期間が変わるため、債権を失って損失を出さないために時効について確実に把握しておきましょう。
売掛金がマイナスになるってどういうこと?
その性質上、売掛金がマイナスで処理されることはありえません。しかし帳簿で借方・貸方を反対にして仕訳する、売掛金の未回収や消込漏れなど、何らかの人的ミスによってマイナスとなってしまうことはあるため、その際は冷静に帳簿を洗い直していきましょう。
コンビニ決済での売掛金の処理は?
ネット通販などが普及し、便利なコンビニ決済へのニーズも高まりました。ただし特に後払いのコンビニ決済では、商品を提供したにもかかわらず顧客から売掛金を回収できないといったトラブルもあり、導入前にきっちりとリスク管理を行っておくことが必要です。
売掛金回収におけるクレジットカードのリスク管理
現在は有名企業や大型商店だけでなく、個人経営の店舗や小規模事業者でもクレジットカード決済を導入している事例が珍しくありません。しかし便利な分、クレジットカード決済には様々なリスクもあり、安全な活用にはシステムへの正しい理解と対策が重要です。
知っておきたい債権管理の知識【経営者編】
ここからは債権管理の知識として、企業の経営者向けの記事、とりわけ会社の上場を目指している企業のために。上場企業が使用している会計システムや、入金管理システム導入のコスト、既存の会計ソフトの移行のポイントなどを紹介しています。
上場するための会計管理どうしよう?
会社の上場を目指す経営者の方向けに、会計システムを導入することでどのようなメリットがもたらされるかについて解説していきます。
入金管理のシステム導入はコストに見合うか?
債権管理システムは、サービス形態によってかかるコストが変わり、債権管理システムをオンプレミス(自社運用)で導入する場合、数百万円から数千万円かかることもあります。一方、クラウド化された債権管理・入金管理システムなら初期費用も数万円ほど、利用するシステムによっては、初期費用がかからない場合もあります。
既存の会計システムを移行できる?カスタマイズはどこまでできる?
会計システムを移行する際には、蓄積していたデータの移行が必須。データの消失や作業の遅延など防止するため、旧ソフトと新ソフトを並行して運用という場合も。会計ソフトの中には、カスタマイズができるものもたくさんあるので、必要最低限の機能を備えたソフトに、後から機能を付け足していくという方法もおすすめです。
債権管理の仕事内容とは?
債権とは、商品やサービス提供に伴い、代金を受領・回収する権利のこと。企業間の取引では、その場で金銭のやり取りが行われることはほとんどなく、商品やサービスの納品後、一定期間を経て、代金が支払われるのが一般的。この、納品から入金までの期間が空くことを、「信用を与える」=「与信」といいます。この与信管理が債権管理の重要なポイントになってきます。
債権管理の流れとしては、商品やサービスの販売・提供を行った後、請求書を発行して、「売掛金」や「未収入金」という債権として会計処理を行い、取引先からの入金を待ちます。入金が確認できたら債権を消込、入金が確認できない場合は取引先に督促を行わなければなりません。この一連の作業を、エクセルを使って行っている企業も多いのですが、債権管理システムを使うことで、より効率よく、スムーズに行うことができます。
販売・提供した商品やサービスの支払期限を過ぎても代金の入金が確認できない場合、取引先に対して督促の連絡を行う必要があります。支払期限を忘れていたり、入金したと勘違いしていることも多いので、まずは電話やメールなどで確認をします。その後も入金が見られない場合は、請求書や督促状などを送付します。それでも応じない場合には、弁護士や回収業者に依頼するなど、法的措置を採ることも検討しなければなりません。
こうした回収業務は、企業にとって重要な業務ではありますが、負担の大きいものでもあります。昨今の債権管理システムには、こうした回収業務をサポートする機能がついているものもあります。
債権管理システムの導入事例
ここでは債権管理システムを導入し、業務効率が上がった、合理化できたという事例を紹介します。
この企業は業務用食品卸売業と食品小売業手がけており、ホテル、ファミリーレストラン、居酒屋、焼肉店、社員食堂、病院、介護施設等に食材や厨房用品を卸したり、一般客も購入できる小売店を運営。従業員数は約900名。以前は、事業所ごとに手作業&目視で行われていた消込作業が、専用の消込ツールを導入することによって、業務を本社に集約させることができるようなったとのこと。
本社での業務件数が増えたものの、システムの導入によって業務が合理化されたため、本社に業務を集約させるようになる前と変わらない人数でも、作業を終わらせることができているとのこと。作業人員を増やすことなく、業務が進められるので、全社的にも業務の効率化が図られているそうです。
取材協力会社

引用元:株式会社アール・アンド・エー・シー公式HP(https://www.r-ac.co.jp/)
株式会社アール・アンド・エー・シー
業務改善及びIT戦略における、トータルソリューションを独自の発想・アイデアで実現
株式会社アール・アンド・エー・シーは、業務系・WEB系のシステム開発を中心に、各種システムの企画・開発・導入コンサルティングを手がける、企業の業務改善及びIT戦略におけるトータルソリューションを実現しています。代表でありVictoryONEの生みの親でもある高山知泰氏は、会計システムベンダーを務めていたという経歴の持ち主。その当時、経理部門の業務において債権管理、とりわけ入金消込に特化したシステムが存在していない事実を目の当たりにしたことをきっかけに『VictoryONE』を開発。入金消込と債権管理の自動化に特化したシステムは、現在300社以上が導入。