債権管理ナビ/売掛金の回収をどう促進し管理するのか/売掛金には時効があるってホント?

売掛金には時効があるってホント?

本ページでは、売掛金の回収に関して、時効となってしまう事態についての解説や、防止するための方策などを取りまとめてご紹介していきたいと思います。

売掛金の時効、その内容とは?防止策はどうすべき?

多くの方は「時効」という言葉から、刑事事件の捜査の時間制限を思い出されることでしょう。刑事ドラマやミステリー小説などの題材にも多く取り上げてきました。また近年では、殺人などの重大事件には時効が撤廃されたことでも大きな話題となりましたね。

そんな時効は、売掛金と一見無関係のように思われますが、実は売掛金にも時効というものがあり、それを過ぎると、請求できなくなる、という事態もありえます。「そんなバカな」と思われる方も多いでしょうが、現実なのです。売掛金の未回収で泣き寝入りということにならないよう、売掛金の時効について、知識を深めておいてください。

売掛金に適用されるのは「消滅時効」

この「消滅時効」とは、簡単に言えば「一定期間、権利を有しているのにその権利が行使されない場合、その権利は消滅する」という内容です。借金の返済に困った人が夜逃げして行方をくらますというのは、まさにこの消滅時効を成立させようという目論見です。そして売掛金もまた、消滅時効の対象となるものなのです。

商品やサービスによって変わる、売掛金の消滅時効

もうひとつ、売掛金の消滅時効に関してやっかいなことは、商品やサービスによって、時効となるまでの期間が異なっている点です。自社の商品やサービスがどれに該当し、時効までの期間は何年なのか、しっかり把握しておくべきです。

1年で時効 宿泊料、運送費、飲食代金など
2年で時効 月謝や教材費、製造業/卸売業/小売業などの売掛金など
3年で時効 診療費や建築代金/設計費、工事代金、自動車修理費など
5年で時効 地代、家賃、利息などの定期給付債権、労働者の退職手当など

なお、時効となる期間は、本来その売掛金が支払われる予定だった日付の翌日からカウントされます。例えば支払い期限が5月10日の場合、消滅時効はその翌日の5月11日から数え始めます。正確な日付の把握も重要ですので、しっかり踏まえておいてください。

時効中断の訴えを起こすことも可能、ただし…

上記の通り、売掛金の消滅時効というのは、債権者にとっていさかか理不尽で、債務者の「逃げ得」を容認しているかのような内容となってしまっています。ただし、債権者にも所定の手続きを踏めば、時効を中断させることができます。

例えば裁判所へ訴状を提出すれば、その時点で時効が中断します。また簡易裁判所への支払催促の申し立てや、調停委員会への調停申し立てなどによっても時効を中断させることができます。また公証人役場で公正証書を作成してもらい、その記載内容の通り返済がされなかった場合、裁判所の判決なしで債権者が債務者に財産の強制執行を行うといったこともできます。

ただし、これらのやり方は、いわば「最後の奥の手」とすべきものです。以下にご紹介します通り、売掛金を回収するために裁判などを起こすことは、あまりお勧めとは言えません。

売掛金を回収するための裁判や強制執行、そこに潜むリスクとは

前述しました通り、売掛金の回収のために裁判を起こしたり強制執行を申し立てるという行為は、債権者に与えられている権利です。ただし、安易に行使するというのは避けるべきで、最後の手段として考えるべきやり方であることを認識しておいてください。むしろ債権者にとって、却って不利益となってしまうリスクもあるからです。

その筆頭として挙げられるのが、労力や費用、時間がかかってしまうという点。とりわけ、債務者側が請求に応じなかった場合は、手間暇や時間ばかりが増えていき、その間は当然ながら売掛金が回収できない状態が続くことになってしまいます。

また、債務者側が財務状況の悪化などを理由に「○月○日までに○○円なら支払うことができる」といった申し立てを行えば、裁判所はその条件での和解を強く勧めてきます。その結果、本来の売掛金よりも少額の回収しかできないまま和解となってしまうことも。

さらには、債務者が破産してしまった場合は、いくら裁判を起こしても、債務の回収は不可能となります。それこど、裁判にかける時間や費用などが、まるまる無駄になってしまうのです。

以上の通り、売掛金の回収は時間をかければかけるほど、状況は悪化していく傾向があります。不払いの兆候が現れた時点で催促などを行なった方が、よりよい結果になる確率が高いと言えます。

売掛金の時効を防ぐために、債権管理システムを活用

以上の通り、売掛金には時効があり、その間何も行動を起こさないと、その権利は消滅してしまいます。とは言え、日々の業務に忙殺されてしまい、請求や催促をし忘れたまま、時が経ってしまうということもありえます。それこそ手書きや手作業で帳簿を管理している場合などは、その傾向が高まります。

そこでお勧めしたいのが、売掛債権の管理システムを導入し、催促業務を効率化するというやり方です。売掛債権の管理システムの中には、売掛金の未払いが発生した時点で、取引先に催促を自動で行うという機能を備えたものがあります。もちろん、そのまま時効を迎えるといったこともありません。状況の把握も確実に行えますので、業務の効率化には、まさにうってつけと言えるでしょう。

まとめ