大手ECサイトへの卸販売で発生する入金消込について、債権管理システムを使って合理化した事例を紹介します。
自社と大手ECサイトとの間の入金消込を自動化した事例
抱えていた問題
医療用品やベビー用品などの卸売業者として、小売店だけでなくECサイトへも製品を販売しているが、大手ECサイト運営会社との取引によって、毎月数十万件という膨大な明細の照合作業が必要になった。
その上、取引先のECサイトから送られる支払いデータには、既存システムで想定していなかった形式もあり、その都度、現行システム用に修正・反映する作業が必要になった。
それでも最初は手作業による照合処理を行っていたが、作業時間が長くなる上、計算ミスが発生しやすくなり、その確認についてまた手間がかかるという悪循環に陥ってしまっていた。
解決方法
過去の取引データをベースにして、入金消込と債権管理に特化した照合システムを構築し、ECサイトからの支払いデータを自動的に取り込めるツールとあわせて導入した。
また、システム導入後に不具合が生じないよう、2ヶ月間は旧システムによる作業を並行して検証し、徹底的にエラーの有無を確認した。 結果的に正常稼働が確認され、3ヶ月後から新システムに完全移行した。
導入前/導入後の違い
手作業による処理時間が以前の30%にまで減少した。加えて、個々の担当者の能力に依存する必要もなくなったため、他のスタッフでも対応できるようになり、事業の安定性が増した。
また、ECサイトへの対応速度も各段に向上し、必要な再請求などが正確かつスムーズに行えるようになった。
さらに、それまでは監査法人による会計監査によって、作業ミスや不明瞭な処理などを指摘されることもあったが、債権管理システム導入後はデータへの客観的な信頼性も高まった。
会社概要
- 業種:卸売業、自社商品開発事業
- 事業内容:医療衛生用品・ベビー用品・日用雑貨品などを、小売店や通販サイトなどへ卸販売
- 従業員数:約700名
まとめ
人間による手作業では無理のある量の消込作業を、専用の債権管理システムによって自動化することで、作業時間が短縮しただけでなく、取引先への対応力も高まるなどのメリットを得られました。
また、個人の能力に頼る必要がなったことで担当者の負担が減った上、第三者に対する客観的な信頼性が向上した点も重要です。