サービスやソフトって機能はどうなの?
入金消込のサービスやソフトについて、特徴や機能、他のソフトとの違い、導入時の選び方のポイントなどをまとめています。
入金消込、そのサービスやソフトはどう選ぶべき?
入金消込作業の現状
経理や会計部門以外の部署に所属する方や経営者の中には「入金消込のサービスやソフト」と聞いても、その内容を正しく認識していない方も少なくありません。それこそ「財務会計システムを導入しているのだから、入金消込もシステムがやってくれるのではないのか」という誤解もまかり通っている位です。経理畑の方から見れば、いささか呆れてしまうでしょうが、悲しいかなこれが現実なのです。


一方で、経理や会計のお仕事に携わっているという方でも、ITやシステム、ソフトには疎いという方もまた少なくないことでしょう。財務会計システムや債務管理システムという言葉は、いってみれば各種システムの大きな括りであり、その中により細分化された各種のシステムが存在しているのです
「システム」という言葉に惑われされない
例えば入金消込システム。入金消込のシステムを導入すれば、目視と手作業で膨大な時間と手間がかかっていたものが大きく効率化され、ミスの発生するリスクも大幅に軽減してくれるというメリットがあります。
しかし、入金消込のシステムはあくまで入金消込をメインとしているシステムであり、販売管理、会計、売掛債権買取といったシステムとは異なるものです。続いて、主な債権管理システムの特徴を見ていきましょう。
主な債権管理システムの特徴
- 入金消込システム
目視と手作業で行なっていた入金確認や複雑な照合なども、取引先ごと、注文内容ごとに専用の口座番号を発行するバーチャル口座決済という仕組みを活用することで、照合の手間をなくし、精度の高い消し込みができるようになります。 - 販売管理システム
注文を受ける「受注管理システム」や商品を保管及び管理する「在庫管理システム」、出荷を行なう、「出荷管理システム」、売上や請求を行なう「売上管理システム」などによって構成され、卸売業や小売業などに適したシステムになります。製造業の場合などはこれらに加え、「生産管理システム」や部品や原材料を購買を管理する「購買管理システム」などが加わっていきます。 - 会計システム
簡単にいえば帳簿を電子化してくれるシステムであり、必要な項目を目的ごとに呼び出したり、計算してくれるといった機能を備えています。例えば決算書を作成する場合、取引の仕訳を記帳し、それを元に各勘定科目の元帳に転記、元帳を集計して勘定科目ごとに金額を算出するといった一連の作業を自動で行なってくれます。 - 売掛債権買取システム
別名で「ファクタリング」とも呼ばれます。例えば早急に仕入れや設備投資など何らかの資金が必要になり、なおかつ金融機関からの借金をしたくないという場合、売掛債権を買い取ってもらい現金化するというもの。売掛金の管理システムと連動させることで、容易かつスムーズに行なうことができます。
解決したい課題から導入システムを見極める
各種のシステムは、ビジネスを効率化するという点では共通していますが、それぞれに内容や役割は異なっています。
システム |
内容 |
---|---|
入金消込システム |
目視や手作業の手間をなくし、消込作業を効率化・高制度化 |
販売管理システム |
受注・販売・納品・売上など一連の工程を一括して管理 |
会計システム |
帳簿を電子化し、仕訳や記帳、計算などを自動化 |
売掛債権買取システム |
売掛金の管理システムと連動させファクタリングをスムーズ化 |
ひとくちに債権管理システムといっても、それぞれの役割分担というものが分かれています。そして、数あるシステムのなかでも、いちばん導入が望まれるのは、入金消込システムではないでしょうか。目視と手作業による確認や照合は時間的にも効率的にも大きなロスを招きます。システム化によって、数日の作業が数十分に短縮された事例もある位です。
導入コストを抑えるならクラウド型がおすすめ
とはいえ、システム導入にネックとなるのはコストの問題でしょう。導入を勝ち取るための戦略としては、自社の消込作業の規模や直面している問題点を洗い出し、それに適したシステムはどれで、これだけのコストをかけることで、これだけの合理化ができるということを、理論的にプレゼンすることが賢明です。
またシステム選定の際は、自社内にサーバーを設置するタイプ以外にも、クラウド型でサービスを行なってくれるところも存在しています。コスト的によりリーズナブルになることが期待できますので、もれなく検討しておきたいところです。
導入時の選び方のポイント
もうひとつ、入金消込システムの導入に際して考慮しておきたいのが、他のシステムやソフトとのデータ連携が行なえる否かです。この点が、導入後の業務効率化の度合いを大きく左右します。例えば入金消込システムは会計ソフトとの連動は不可欠といってよいでしょう。小売業や卸売業であれば販売管理システム、製造業であれば生産管理システムや原価計算ソフトなどとの連携も重要になってきます。
無料or有料どっちがおすすめ?入金消込ソフトのメリット・デメリット
最近では無料で使える入金消込ソフトが登場しています。サービスは無料なのに消込機能が十分使えるソフトもあります。無料ソフトと有料ソフトのメリット・デメリットを比較します。
無料ソフト
メリット
初期費用や月額費用が一切かからないのが大きなメリットです。とにかく消込作業の手間を省きたいというニーズに応えます。無料版でもスピーディーにチェックを完了するので、業務時間の短縮を図れます。
アナログ的な方法で消込作業をするけど、念のためにソフトを使ってダブルチェックしたいという場合も活躍します。ダブルチェック目的なら無料のソフトで十分でしょう。消込チェックに複数人を確保している場合、人員削減を検討できるかもしれません。
デメリット
無料なだけに、使える機能が限定されていることが多いです。有料版なら標準搭載されている機能が、オプションとして有料の場合もあります。ソフトを使い始めると、もっと充実した機能が欲しくなるかもしれません。
また、無料の入金消込ソフトはサポートが付いていない場合もあります。急なエラーが出て作業ができなくても、無料なら文句は言えないでしょう。月末などの大事なタイミングでエラーが出てしまうと、業務自体に支障が出る可能性もあります。
有料ソフト
メリット
有料ソフトはサービスや機能が充実しています。ソフトを使用するうえで不明なことがあれば何でも問い合わせて確認できます。有償サービスにしている会社もありますが、担当者が会社に来てセッティングをしてくれたり、使い方を教えてくれたりします。まったく初めて入金消込システムを導入するときの強い味方です。
ほかのソフトとの連携も、有料ソフトのほうが対応できるソフトやサービスが豊富です。入金消込を実行したあとに、得たデータを使って分析などをするのも有料ソフトが便利でしょう。無料ソフトだと必要最低限の機能しかついていないことが多く、有料ソフトの機能にはかないません。
デメリット
有料ソフトのデメリットはやはりコストでしょう。無料ソフトがゼロ円で、もしくは安いオプション料金で利用できるのに対し、有料ソフトは基本料が高いです。ソフトを使い続けるには月々一定額を支払う必要があり、会社にとって支出となります。
一度特定の入金消込ソフトを使い始めると、なかなかほかのソフトに乗り換えられません。実際に入金消込を担当する部署が混乱する可能性があるからです。導入後は長期的に月額料金を支払うことになります。
有料ソフトを使いこなせない場合もあります。入金消込はソフトが自動で行うので問題ありません。しかし、会計ソフトへの連携や入金データのチェックなどは、担当者が意識的に行わなければなりません。
会計ソフトへの連携くらいならそれほど難しくないので心配いらないでしょう。ただし、入金消込システムの導入がキャッシュフローの確認や改善の場合、定期的にデータを活用しないと意味がありません。意思決定時に売掛金データを参考にする目的があるなら、必要に応じてデータを準備し加工する必要もあるでしょう。
有料ソフトの無料期間を試してみよう
機能が充実している有料ソフトですが、コスト面や操作性で不安に感じる方もいます。そのような方におすすめなのが、有料ソフトが実施している無料期間です。トライアル用・お試し版として無料で使えるうれしいサービスのある入金消込システムがあります。
お試し版なのでもちろん無料で使えます。無料期間中に機能の充実度や使い勝手を確認するのがいいでしょう。実際に有料版を使ってみたら、今の会社の現状には合わず、無料版で十分だったと分かることもあります。
操作面でも各種機能を使いこなせるか確認できるのがお試し版のいいところです。現場の担当者が使い、効率化を図れるかをヒアリングします。そのあと有料版を継続利用するか決めてもいいでしょう。業務のムダを省ける入金消込ソフト。ぜひ会社に合うものを見つけてください。
まとめ
- 入金消込システムをはじめ、各システムにはそれぞれの役割がある
- 導入に際しては、それぞれの役割を理解し、自社に適したものを選ぶ
- システム同士の連携は重要。クラウド型システムの利用も要検討