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未払金の消込はどう管理すればいいの?

未払金の消込について、タイミングや管理方法、効率化するための方法などをまとめてご紹介していきます。

未払金の消込は、どう管理し、どう効率化する?

多くの企業で採用されている消込作業の現状

消込作業は、経理や会計部門の担当者が、未だ請求先リストと入金データとをにらめっこして照合し、手作業で消去していくという、実にアナログな方法で行なっているケースが多いです。

そして、照合作業というのは、目視と手作業で行うには、実に多大な労力と手間が必要なものです。会社の規模、ビジネスの規模が大きくなればなるほど、取引先の数が増えれば増えるほどに、数が増え、作業も複雑化していきます。

管理が煩雑でミスが多発しやすい未払金の消込

例えば、銀行振込の場合、振り込み名義はカタカナ表記で行われますが、似たような社名が複数あったり、同姓同名の請求先があるといった場合には、それぞれを照合する手間が余計にかかります。

また、ひとつの取引先企業に対し、自社が異なる複数の商品を販売したり、部署ごとに別々のサービスを提供している場合でも、その取引先企業が複数の請求額を合算して1度の振り込みで済ませてしまうということも往々にして起こりがちです。そうした場合にも、経理や会計の担当者は、どれだけの金額をどの請求に対する支払いなのかを、都度紐解いていかなければなりません。

目視と手作業による消込作業は、ただでさえ膨大な手間がかかるものですが、それに輪をかけて作業の難易度を上げるのが「未払金」の消込です。

ダブルチェック

経理業務に於いてダブルチェックは多くの企業で導入されているシステムです。一人だけの確認よりも、複数の人間で確認した方が確実性が高まるという理屈なのですが、ダブルチェックはミスが発生しやすいポイントです。

理由はいくつか挙げられます。まず、ダブルチェックそのものが形骸化している点。「既に誰かがチェックしているから大丈夫」「自分に来る段階でミスなどないはず」といった思いから、本来はチェックしなければならない役割でありながら、ほとんどチェックすることなく「OK」としてしまう点。また、ダブルチェックの担当者が他の業務に追われている場合、自分が二人目、三人目の場合は「他の人もOKだし」という意識と共に、「ミスもないだろうし、今はそれどころじゃない」と大してチェックもせずに通してしまうこともあります。

ミスがなければ問題は起きませんが、どこかでミスがあると、ダブルチェックそのものが機能していないことが露呈してしまうパターンです。
情報共有が徹底していないことでのミスもあります。ダブルチェックを行う担当者が、それぞれ異なる情報を持っている場合、本来であれば問題ないものを「大丈夫なのか」と指摘したり、逆に問題があるものを通してしまったり。社内におけるコミュニケーションの不足がこのような事態を招いてしまいます。

名義/金額の照合

こちらもよくあるミスです。名義や金額の照合は細かい文字・数字の羅列により、時間とともに集中力が低下することでミスをしてしまうものです。この点はなかなか難しい部分で、ミスをしたいと思ってミスをしているのではなく、似たような文字ばかりを見ていると、ミスに気付けなくなってしまったり、数字の羅列を見ていると、微妙に桁や欄がずれていても気付けず、そのまま通してしまいがちです。

特に忙しい時期になると、膨大な量の経理業務に追われることになりますので、速度も重視せざるを得ない状況になります。すると、感覚的に「間違っていない」と思えば通してしまいます。量がそこまで多くはない時期であれば、集中力も高く、かつ一件に対してかけられる時間も長いのでミスがあれば気付くことができるものの、忙しい時期はスピードを重視せざるを得ない状況なので、結果的にミスを出してしまいがちです。

請求の繰越/合算

こちらもまた、ミスの多い部分です。請求を繰り越したり、あるいは合算することを知らされていなかったり、あるいは微妙な計算ミスをしていたり。この点は経理担当者のミスというよりも、社内におけるコミュニケーション不足も問題の一因です。

繰越や合算は経理担当者だけでは判断できない部分もありますので、本来であれば注意事項として経理に伝達しておかなければならないのですが、忙しい時期、あるいは日にちを跨いだり担当者が休みの場合、周囲は事情を分かっていませんのでいつも通りに業務をこなしてしまい、後日ミスが発覚するというパターンです。こちらに関しては経理担当者のスキルの問題ではないので、社内環境そのものを見直し、経理に於けるルール作りを徹底することが求められます。

このような環境は経理にとっては良いものではありません。しかし、改善が難しい部分です。単純な伝達ミス程度であれば良いのですが、慢性的な経理環境が悪い場合、常に同じようなミスで悩まされている経理担当者も珍しくはないことでしょう。

また、特に新規の会計業務が多い場合も良く起こるミスです。毎月ほぼ同じ取引先のみを相手にしている場合は良いのですが、取引先が流動的な場合、どのような形で処理すれば良いのか経理担当者だけでは判断できないことも出てくるものです。

未払金の消込タイミングとは

ここで言う未払金とは、本来の入金予定日に支払われなかった売掛金はもちろんのこと、入金はされているが請求金額と一致せずに不足している、あるいは振込手数料が差し引かれている、消費税端数の差額があるなどの場合も含まれます。

入金の不備に関しては、消込作業を保留し「仮受金」という勘定項目に計上しておきます。その上で原因を調査し問題を解明して上で、正しい入金額を得られて初めて、正しい消込を行うことが原則です。

未払金の管理方法について

未払金が発生した場合、消込は行わず、翌月にその月の本来の請求分と、前月に発生した未払分を合算した額を請求します。これを「繰越請求」と呼びます。

しかし、この繰越請求は、前月までの未入金額(繰越残高)がいくらで、当月の請求金額がいくらなのかといった具合に、複雑な請求金額の管理と消し込み作業が必要になり、経理や会計の担当者にとっては、さらに手間暇のかかる作業となってしまうのです。

手作業のリスク

未払金があった場合に関連する作業が月あたり10件程度あるのならまだしも、企業規模、事業規模が大きくなるほど、月に数十件から数百件といった具合に増加していきます。

未払金のチェックに関しても何度も何度も確認が必要となってしまう非効率が発生する上、未払い金を発見するたびに取引先をリストアップして取引先へ問い合わせなければならなくなるため、より煩わしい作業が発生します。

企業としての信頼を損なわないために

手作業で行っている以上、ミスが発生してしまうリスクは常に存在してしまいます。消込ミスが発生するということは売掛金の回収が不能になる、逆に二重請求や請求漏れなどの誤請求も起こり得ます。そうなれば企業としての信頼を損ないかねません。今一度、そうしたリスクを考慮すべきなのです。

システム化による効率化と、そのメリット

上記のようなリスクを軽減し、消込作業の効率化を実現するには、消込の自動化システムを導入するという方法があります。

入金口座の確認や通帳記帳をせずともリアルタイムに入金確認ができ、確認ミスが起こりにくくなります。また取引先ごと、注文内容ごとに専用の口座番号を発行するバーチャル口座決済という仕組みを活用することで、照合の手間をなくし、精度の高い消し込みができるようになります。

数営業日かかっていた消込作業が、数十分に短縮された事例も

さらには、クレジットカード決済や口座振込と同じように一元管理ができるので、管理が容易になり、大幅に消し込み作業が効率化でき、ひいては経理や会計担当者の負担やリスクを大きく軽減することができるのです。それこそ、システム導入以前には消込作業に数営業日かかっていた企業が、導入後に数十分に短縮できたという事例もある位です。

スピード・確実性が高まる

システム化することでスピードと確実性が高まります。
人の手による経理の場合、どうしてもミスが起きてしまいますし、集中力・体力の観点から、長時間作業を行っていると速度も遅くなりますし、確実性も低下します。

仕事を始めたばかりの時間帯の作業と、遅くなってきた時間帯の作業の質を見ると、大幅に異なるケースも珍しくありませんが、システム化することでスピードと確実性が担保されます。システムは入力通りに行いますのでミスがありませんし、疲労という概念もありません。長時間システムを稼働させたところでシステムが疲弊することはありません。

誰もが行えるようになる

経理業務、特に入金消込業務は属人化されやすいものです。なるべく常に同じ作業をしてもらった方がミスの低下に繋がるのですが、一方で属人化が進むことで、特定の人間がいなければ作業ができない事態を招いてしまいがちです。いつも業務を担当している人間が休みなので作業が実質的に一時中断状態になることも珍しくありません。

その点、システム化することで誰もが業務を行えるようになります。普段は入金消込など行っていない担当者であっても、簡素な手続きにて作業を終了することもできるようになります。システム化することで、それまで人が担当していた部分をシステムが行えるようになります。ベテランや経験者だけしかできないような業務も、システム化することで誰もが当たり前の様に行えるので、人に頼らない環境ができあがります。

人員の削減効果が期待できる

システム化することで経理担当者の負担を軽減できますので、人員の削減に繋がります。人件費は会社組織として常に意識しておかなければならない部分ですが、人がいなければ作業が捗らないものです。それらのバランスはしっかりと考慮することも大切なのですが、システム化することで、経理担当者の負担軽減となりますので、経理の人間を減らし、他の部署に回すことも可能になります。

人員を削減できるものの、決して経理担当者たちに大きな負担を科す訳ではない点もメリットです。経理の人間を減らし、残った人間にしわ寄せが生まれるのではなく、作業効率が高まるので、経理担当者の負担が増える訳ではありません。

リアルタイムでの確認が可能になる

それまで経理業務、特に入金関連に関してはリアルタイムでの確認ができませんでした。振り込みを行ったとしても業務時間によってはタイムラグが発生してしまいますし、通帳に記入しないと、本当に入金されたのか、入金担当者以外は確認ができませんでした。

しかし、自動で入金データを取得してくれるものもありますので、わざわざ通帳に記帳することもなく、担当者以外でもどのような状況になるのかを気軽に確認できるようになります。また、入金情報だけではなくクレジットカード決済情報もリアルタイムで確認できるソフトもあります。

自動化・システム化が難しい現実もある

自動化やシステム化には様々なメリットがある一方で、実際には難しいと感じている会社・経理担当者も多いことでしょう。なぜなら、取引先によって様々な違いがあるからです。入金日、取引のサイクルが異なったり、あるいは取引先が常に流動的な場合、オートメーションが難しく、どうしても人間がその都度確認しなければならないものがあるのも事実です。

システム化・自動化にメリットを感じているものの、現実的には難しいと諦めている人も多いことでしょう。一方で、システム化によって負担が軽減するのは紛れもない事実なので、自動化できる部分は自動にして、人間の手作業が必要な部分は従来通り手作業にするなど、システムと人間の分担化を検討してみるのもよいでしょう。

まとめ