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売掛金回収におけるクレジットカードのリスク管理

本ページでは、クレジットカード決済と仕訳、売掛金回収について、その特徴やリスク管理はどうするべきかなどの情報を取りまとめてご紹介していきたいと思います。

クレジットカード決済と仕訳

クレジットカード決済で生じる「売掛金」

クレジットカード決済では、現金取引だけの場合よりも仕訳方法が複雑になるというデメリットがあります。

そもそも、その場で現金取引が完了している場合、必要となる勘定科目は通常「現金」と「売上」だけです。しかし、クレジットカード決済を利用した場合、店舗やECサイトなどで取引が終了し、売上が計上されていても、実際に入金されるまでにはタイムラグが生じます。そのため、クレジットカード決済では「売掛金」も勘定科目として考えなければいけません。

原則として、経理上で売上が計上されるタイミングは、顧客へ商品やサービスを提供した日となる「発生主義」が取られており、入金された日ではありません。

一定の条件を満たした上で、事前に税務署へ届け出をすれば、入金日を売上日とする現金主義を採用できますが、基本的には発生主義で考える必要があるでしょう。

クレジットカード決済の仕訳

まず原則的には、売上の種類は「現金取引(現金売上)」と「クレジットカード決済(クレジットカード売上)に分類し、毎日の業務終了後にそれぞれを集計・仕訳を行う必要があります。

そしてクレジットカード決済の場合、発生日(売上日)ではまず取引金額を全て売掛金として処理します。その後、口座へクレジットカード会社からの入金があった時点で、その金額を登録するという流れです。

ただし、クレジットカード会社からの入金は、売掛金と同等の金額でなく、そこから手数料を引いた残額となります。当然ながら、ここで引かれた手数料も「支払手数料」として勘定しておかなければ、売掛金が正しく処理されないため、注意しなければなりません。

なお、国税庁のホームページにおいて、支払手数料に対する消費税は非課税と回答されていますが、クレジットカード会社によっては明細書に消費税が課税されているケースもあり、仕訳を行う際は冷静に金額を確認することが大切です。

クレジットカード手数料の消費税の取扱い

クレジットカード手数料は非課税

先に述べた通り、事業主がクレジットカード会社へ支払う手数料、つまり売掛金から差し引きされる金額については、非課税対象となっています。 そのため、仕訳では全額を「支払手数料」として登録することが必要です。

銀行への支払手数料との混同に注意

一方、事業主が仕入れ料金を銀行口座に振り込む場合、銀行への手数料には消費税が課税されます。つまり仕訳では振込み手数料について、支払手数料と仮払消費税を分けて登録します。

そしてこの結果、銀行への支払手数料と、クレジットカード会社への支払手数料を混同し、非課税とすべきクレジットカード会社の支払手数料についてまで「仮払消費税」を登録してしまうミスが少なくありません。

また、会計ソフトによる仕訳を行っている場合、初期設定のままでソフトを使用していると、自動的に支払手数料の金額が「支払手数料」と「仮払消費税」に分類されてしまいます。そのため、クレジットカードの支払手数料については、あらかじめ消費税の設定を非課税としておくことが必要です。

なお、金額を間違えると修正申告が必要になることもあるため、普段から正確な仕訳を行うように心がけてください。

売掛金回収、クレジットカードの場合のリスク管理は?

かねてより、デパートや大型商業施設などでの支払いの利便性を発揮しているクレジットカード。近年ではネットショッピングや通信販売などの隆盛によって、ますますニーズも高まっています。またITの進化によって、比較的小規模な小売店や飲食店でも、クレジットカード決済用のシステム導入が、より安価・身近になったことも重なり、カード決済はもはや出来て当たり前という状況になっていますね。

事業主の立場からすると、クレジットカードでの支払いや売掛金の回収というものは、カード会社が行うことであり、その責任やリスクというものを背負う必要はないものと、つい考えてしまいがちです。しかし、話はそう単純ではありません。物事にはすべて何らかのリスクというものがあり、それによって損益を被る可能性は決してゼロとは言い切れません。ましてクレジットカードというものは、不正利用や犯罪のターゲットにされやすい部類のものです。決して安穏として構えていればいいというものではなく、クレジットカードにはどんなリスクがあるのか、その防止策や対処法はどうなっているのかを、しっかりと知っておくことが重要です。

クレジットカード決済による、リスク発生の可能性とは?

では、より詳しく、クレジットカード決済の仕組みや、そこに潜むリスクというものについて見ていきましょう。ご存知の通り、クレジットカードはVISAやMaster、アメリカンエクスプレスなどの国際ブランドが直営、または契約発行会社を通じて加入者を募ります。契約者は審査の上で、カードが付与され、商品購入やサービスの代金としてカード会社加盟店での決済に使用。決済代行会社が毎月、利用者の金融機関口座から利用分の金額を引き落とすというのがおおよその仕組みですね。

そうしたクレジットカードのリスクとして筆頭に挙げられるのが、カードの使用者ではない者による不正使用です。カードの盗難やスキミング、フィッシング詐欺などはその典型です。こうした不正はカード所有者の不利益となるものですが、事業者にとっても他人事ではありません。

クレジットカード会社では、こうした不正使用によって発生した代金の支払いを取り消す「チャージバック」という制度を設けており、これが成立すると、商品やサービスを販売したのにもかかわらず、その分の売り上が未回収となっています。もちろんカード会社によってはそうした場合の保険や保証などを用意していますが、その掛金とのバランスをどのようにすべきかは、事業者として頭を悩ますポイントです。

また事業主として気にかけておかなければならないことは、決済代行会社が息詰まってパンクするというリスクです。決済代行会社の中には、資金量が潤沢とはいえず運営をしているところも多く、またシステムやセキュリティへの先行投資も不可欠。資金繰りのショートなどで、会社が立ち行かなくなり、回収予定だったはずの金額が未入金のまま、その代行会社が倒産ということも十分にありえるのです。

前述したように、クレジットカード決済の場合、帳簿上で現金とは異なる勘定科目に計上しなければなりません。売上を計上した日と、クレジットカード会社から金額が入金されるまで、タイムラグがあるため『売掛金』勘定を使用する必要があります。一方で、経理上で、売上を計上するタイミングは、『お客にサービス(商品)を提供(販売)した日』(発生主義)となります。仕訳においても混乱や勘違いなどが起きやすくなり、ひいては確定申告などでも誤差が生じてしまうリスクがあるのです。

加えて、クレジットカード会社から支払われる売掛金は、商品やサービスの代金から、カード会社の利益分として、3%程度の手数料が差し引かれた金額が入金されます。この差し引かれた手数料分は、帳簿上『支払手数料』勘定でしっかりと仕訳しなければなりませんが、手作業で行なっていると、つい忘れがちで、その結果、誤差となって売掛金がクリアにならないという事態を招いてしまいます。

カード決済のリスク回避、利益保全には、債権管理システムの導入が効果的

以上の通り、クレジットカード決済には、様々なリスクが存在しています。もちろんそうした事態の発生を事前に予測することはほぼ不可能ですが、事態の発生に気づかないまま放置してしまうと、売掛金の回収がより困難になる傾向があります。また、クレジットカードならではの帳簿計上はより複雑になるため、手作業で行うことは、それだけ余計な時間と手間も必要となってきます。

そこでお勧めしたいのが、売掛債権の管理システムを導入し、クレジットカード決済にも適切に対応できる仕組みを構築しておくことです。クレジットカード会社あるいは決済代行会社からの入金が滞った場合にはその事態を即座に知ることができ、タイムラグが大きくなる前に行動を起こすことができます。またクレジットカード決済ならではの帳簿計上も、システムが最適化された状況で行なってくれるので、数字が合わないと頭を悩ませることもなくなります。クレジットカード決済においても、システム化によってこうしたメリットが享受できるという点は、まさに注目ポイントです。

まとめ