上場するための会計管理・システムはどうしよう?
上場を目指す企業にとって必要な会計システムについて解説。入金管理システム導入のメリットと、会計システムの移行・カスタマイズについても紹介しています。
上場に対して行われる会計監査の準備とは
株式を上場することによって資金や人材を集めやすくなり、事業の規模を拡大することが可能です。また、審査基準が厳しいため、上場企業は信頼性が高くなり、取引先にも優良な企業が増えて企業価値も上がります。
上場するにあたり、さまざまな審査を通過する必要がありますが、その前に準備しておかなければならないことがあります。
上場企業は、有価証券報告書とともに内部統制報告書を金融庁に提出しなければなりません。内部統制報告書というのは、内部統制の6つの基本的要素(統制環境、リスク評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング、ITへの対応)が盛り込まれるのですが、上場審査を受ける企業にも、これらの書類の提出義務があります。
そのため、上場を目指すのであれば、こうした内部統制にも対応した会計ソフトを使用するのがおすすめです。
入金管理のシステム導入は
コストに見合うか?
入金管理・債権管理システムの導入にあたって、もっとも気になるのがコスト面。債権管理システムは、サービス形態によってかかるコストが変わってきます。
債権管理システムをオンプレミス(自社運用)で導入する場合、サーバやソフトウェアが必要になるため、サーバ環境を整えたりシステムのパッケージを購入したりすると、すべて含めて数百万円から数千万円かかることもあります。これほどのコストはかけられないという場合には、クラウド化された債権管理・入金管理システムがおすすめです。
さまざまなシステムのクラウド化に伴い、入金管理・債権管理システムもクラウド化されたものが増えています。クラウド化された入金管理・債権管理システムで必要なのは、インターネット環境とパソコンだけなので、初期費用も数万円ほど、利用するシステムによっては、初期費用がかからない場合もあります。
また、入金システムを導入すると下記のメリットがあります。メリットと導入コストを比較した上で、導入を検討してみましょう。
- 一括管理が可能になる
- 回収率がアップする
- 請求書などの作成も可能
- ヒューマンエラーが減少する
- 債権管理が一元化できる
既存の会計システムを移行できる?
カスタマイズはどこまでできる?
現在使っている会計システムを移行する時期は下記のタイミングなどがあります。
- サポートの終了
- 会社規模の拡大
- 法制度の改正
- 他のシステムとの連携
会計システムを移行する際には、それまで蓄積していたデータを移行する必要があり、違うメーカーのソフトに移行すると、手間がかかったり、うまくいかないことも。そのため、会計ソフトを入れ替える際には、同じシリーズでバージョンアップすることが多いようです。
また、新しいソフトにいきなり移行するというのは、データの消失や作業の遅延など大きなリスクを伴うため、旧ソフトと新ソフトを並行して運用していくことが多々あります。並行運用なしで新システムに移行できる会計ソフトもありますが、失敗した際のリスクも大きくなるため慎重に検討するようにしましょう。
より使いやすい会計システムに移行するためには、いま使っている会計ソフトの機能面の不便さやニーズを洗い出す必要があります。
会計ソフトにはさまざまな機能がついたものもありますが、機能が多くなればなるほど、コストもかかってしまいますので、必要な機能だけを備えたものを選ぶようにしましょう。中には、カスタマイズができるものもたくさんあるので、必要最低限のソフトに、後から機能を付け足していくという方法もおすすめです。
上場企業審査で評価されるのは純資産?
上場企業審査で判断材料にされるのは、資本金だけはなく純資産であることをご存知でしたか?純資産は貸借対照表の資本カテゴリーのところに記されていて、株主資本と株主資本以外の資産に分類されています。さらに株主資本は、資本金、資本剰余金、利益剰余金の3つに分類されます。審査にパスするためには、この純資産の額をできる限り大きくしておくこと。上場を目指す企業の会計管理で求められるのは、日々の売り掛けだけではないのです。
上場するための会計管理で鍵を握るのは損益
会計管理で必ずお目にかかる損益という2文字。毎日のように取引先と金銭の取り引きがおこなわれているビジネスでは、切っても切れない鎖のようなものです。期末決算時になると、帳簿が締め切られ、日次で蓄積してきた売掛金を損益勘定に振り替える作業がおこなわれます。会計に携わる人でも、会計資格を有していない人や会計学を学んでこなかった人のなかには、なぜわざわざ借方、貸方で帳簿につけてあった売掛金を損益勘定へ振り替え、残金をゼロにするのか意味がわからない人もいるのではないでしょうか。損益は会社の資本に大きく影響を与えるため、上場するための鍵を握っているのもまた損益なのです。
上場企業は
こんな会計ソフトを入れている
上場に対しての会計監査の準備などのポイント・注意点をまとめています。
- 残高をチェック
- 仕訳の根拠
- 決算書の数字の増減
など、様々な会計監査において準備が必要となります。上場を目指す企業であれば、ビジネスモデルなどにもよりますが、それらの業務がどうシステム化されており、正しく機能しているかなど、会計システムなどの構築もポイントになってきます。上場企業はどのような会計ソフトをどのような基準で導入しているのか詳しく解説していきます。
上場するなら債権管理システムの導入はもはや必須?
債権管理システム導入を検討してはいるけれど、上手くいくかどうかわからず結局古くからのしきたりを守るかの如く、エクセルで手動入力をおこなっている会社はたくさんあります。小規模の会社であれば、逆にシステムの導入は敷居が高く、エクセルでも問題はないのかもしれません。しかし上場を目指すような企業となってくると話は別で、すぐにでも会計管理のキャッシュフローの改善に努めることが必要になってくるでしょう。債権管理システムはたくさんの種類がリリースされていますが、自社の業務内容と規模に合わせ慎重に選ぶことが大切です。
債権管理業務の精度向上にはERP
ERPは、一般的な会計管理支援システムとは少し違います。企業全体の基幹系業務をまとめあげ、総合的に業務の管理支援をおこなっていくITソリューションです。つまりERPは債権管理を担う経理だけでなく、営業や技術、人事など売り掛けに携わったほかの部署の人間と情報を一元化し、リアルタイムに確認や共有をおこなうことができるのです。
またERPは、既存の基幹システムの中から、会社の業務内容とぴったり合うものを自由にカスタマイズして独自のシステムをつくることができるようになっています。上場するために社内全体の精度をあげるERP導入をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
消費増税と軽減税率が会計システムに与える影響や変化とは?
2019年10月から消費税率が8%から10%へ引き上げられ、同時に一部の食品や新聞については税率を8%のまま維持する軽減税率が導入されます。
消費増税と軽減税率により、今後は消費税10%の区分と8%の区分についてそれぞれ管理しなければならず、またどのような場合で8%となるのかも考慮しなければなりません。
制度の改正が日々の業務や会計システムに与える影響と対策について、事前に正しく把握しておきましょう。